こころの境界線 【理事 かがみそのこ】
私は、家族が精神的に不安定で落ち込んでいると、自分も落ち込んで鬱々としてしまったりします。
また、自分に対するものではないのに、他の人の怒りに触れて、自分が苦しくなったりもします。
周りの人の感情から影響を受けすぎて、振り回されてしまう。
それは、何とも苦しいのです。
物理的な距離感については、自分の心地いい距離感をもって、意識して過ごしているのに、こころの部分では、何も意識したことがありませんでした。
精神分析・心理学上の概念で「バウンダリー」というものがあります。
バウンダリーの重要性を唱えているスクールソーシャルワーカーの鴻巣麻里香さんによると、バウンダリーとは、『私』と『あなた』を隔て、『私は私、あなたはあなた』という違いを守るための目に見えない境界線のことで、心の皮膚のようなもの。接する、つながる、距離をとる、区別する、嫌な刺激を遠ざける、といった役割もあるとのこと。
私になかったのは、このバウンダリーだなと思いました。
いつもむき出しのこころで、距離感ゼロで、色々なことに向き合っていました。
それでは、疲れてしまったり、傷ついてしまうのは当たり前です。
私も、自分のこころにバウンダリーを作り、その中を心地よい領域にし、心地よい距離感で、自分を守りたいと思いました。
具体的にイメージしてみると…
境界線は、柔らかいボヨンとした淡いピンクの雲のようなものです。
攻撃的なもの、ネガティブなものは、優しく受け止めるけれども、弾いて中には入れず、自分を守ってくれます。
逆に、優しさや愛情など心地いいものは、中に入ってきます。
領域の真ん中の適度に離れたところから、怒ってるんだな、つらいんだな、と相手を客観的に見ます。
領域の中は、優しく温かい安全な場所。
こんなイメージをするだけで、楽になる感じがします。
バウンダリーは、親との関係から少しずつ作られるもので、小さい頃からの「自分の意見を聞かれる体験」の積み重ねが大事だそうです。
親が子どもの領域や考えを尊重しない環境で育った場合、私のように、大人になっても身についていないこともあります。
じゃあ、バウンダリーは作れないの?
そんなことはないです。
バウンダリーをイメージしつつ、
「私は今どう思うの?」
「私はこんなふうに感じているんだね」
「私はどうしたいの?」
と自分の心の声を丁寧に聴いて、自分で自分を尊重することによって、意識的に自分でバウンダリーを育てていくことができると思っています!
自分の心の声を聴き、自分の気持ちを大切にするところに戻ってきて、やっぱりそれがスタートで基本で、一番大切なことなんだと改めて実感しました。
最後に、鴻巣麻里香さんの言葉の中に、バウンダリーを意識し、自分の気持ちを尊重するとともに“他者の気持ちの責任を負わないこと”も挙げられていて、ドキッとしました。
ついつい、他者の気持ちに引っ張られ、「私のせいだ、私が何とかしなくては」と思いがちなので、責任を負わなくていい、何もしなくていいと分かっておくことは、とても大切だと思いました。
かがみそのこ
