褒めることは対等じゃない? 【理事 田村 えり】

子育ては、子どもを育てるだけでなく、親自身も成長する長い旅。
思い通りにならないことも多く、「これで良かったのかな?」と悩むこが沢山あります。 そんな中で、「褒める」って難しいなと感じたことについて書こうと思います。
私は良かれと思って、子供に対して何かあれば褒めてきましたが、 あるとき、「褒められるのは嫌いだからやめてほしい」と言われました。
その言葉から、褒めることについて少し考える時間を持ちました。
褒めることが上下関係をつくる?
ある日、子供に「すごいじゃん!よく頑張ってるね!」と言った時、 何とも言えない顔をしていたので、 以前言われた「褒められるのは嫌いだからやめてほしい」という言葉を思い出しました。
そこで、子供に「なんで褒められるのが嫌なの?」と問いかけたところ 「なんだか上から目線な感じがする・・」とひとこと。
私の心にガツンッとくるものがありました。
私は思ったことを素直に「すごいね!」と言っていましたが、それがまさか上から目線と捉えられているなんて‥ 驚いた瞬間でした。
子供の言葉から、褒める側って「評価する立場」に立っていることが多いことに気付きました。
気づかないうちに上下関係が生まれてしまうこともあるんですね。
褒めるって実はシンプルじゃなくて、微妙な力関係が関わっていることがあること‥
私にとってそれは大きな気付きでした。
どうすれば平等な褒め方ができる?
じゃあ、どうすれば上下関係なく褒めたい事を伝えることができるのか‥
それは、相手が「評価された」と感じる褒め方ではなく、こうやって工夫したんだよという部分を「共感する」ことだと気付きました。
例えば、学校で絵を描いてきたときの話‥
「すごいね!とっても上手に描けてるね」ではなく、 「この絵の色使い、すごく綺麗。どんな絵にしようって思いながら描いたの?」 って聞いてみました。
こうすると、子供と一緒になって、その時の気持ちや思いを共有できるように感じたんです。
共感することで、絵の話は膨らみ、その時の情景や色んな深い思いを聞けました。
褒めるよりも共に感じる
褒めることって私は素晴らしいことだと思います。
私も褒められると(素直に受け取れない時もありますが‥)嬉しいものです。
でも、「褒める」だけにとどまらず、相手の思いや背景、努力に寄り添うことがとても大切だと気付きました。
そうすることで、もっと深い繋がりが生まれように感じています。 そんな関係ってなんだか素敵だと‥思いませんか?
そしてここでも「共感」…傾聴が出てきました。
どんなところにもひょっこり出てくるのが、傾聴の良いところですね。
もし、次に誰かを褒めたくなったとき、ぜひ『共感』を使ってみてください。
その会話が新しい喜びや気づきを生むことがあるかもしれません。
田村えり