「思いはそれぞれ」みんな違ってそれでいい 【理事 田村 えり】
公民館や子ども会など、様々なところでアロマテラピー講座をしています。
香りを楽しんでくれる方や、様々な話をして場を楽しんでくださる方、これまで色々な方とご縁がありました。
今回は、子ども会の講座準備の中で感じた事を書いてみます。
《アロマテラピー講座》
子ども会アロマテラピー講座では「バスボム」を作りました。参加人数は約40名で、予想以上の多さに驚きました。同時に、子供たちや子ども会のメンバー全員に楽しんでほしいという気持ちがたくさん湧き上がりました。
アロマテラピー講座の準備は案外大変です。まず、何を作ったら喜んでくれるのかを考えます。題材を決めた後は何度も試作を作ります。今回のバスボムもせっかく参加してくれるからには、「形はどうあれ崩れないバスボムを作ってもらいたい。お家に帰ってバスボムを見て喜んでほしい!」と思い、できるだけ失敗しないものを作り上げたいと考えました。
ようやく思い通りのバスボムを仕上げ、打合せの時に失敗しにくい方法を提案したところ、”失敗しても子供が喜んでくれたらそれでいいのでは?” というお話がでました。
確かに、子供たちが楽しんでくれて、失敗しても作ること自体を喜んでくれるなら、それで十分かもしれません。崩れても気にしないかもしれないし、作ったことで満足して使わないかもしれません。
でも‥失敗したバスボムを見たときの子供たちのがっかりした顔を想像すると、私の中で悲しい気持ちが湧き上がるんです。
だからこそ、私は「崩れないバスボムを作りたい‥!」という気持ちが強くなっていることに気付きました。
そこから私の中で傾聴が始まりました。
お母さん目線の私と、講師としての私が両方存在していて、それぞれの心の声をじっくり聴いていきます。
浮かんできた答えは
「楽しんで作って持ち帰ったバスボム。家に帰った時に崩れていないバスボムを見て喜んでもらいたい」という気持ちが強くあることに気付きました。
その湧き上がった気持ちを大切にしたいと思い、100%の力を注ぎ講座に挑みました。
その結果、楽しんで作る子供たちが仕上がったバスボムを見て喜んでいる姿と、しっかり仕上がったバスボムを見て「あぁ、成功したな‥」と感じる私がそこにいました。
《それぞれの思い、みんな違ってそれでいい》
みんなそれぞれの思いや考え方があって、全く同じ気持ちになることは難しいと思います。
その中でも、「あなたはそう思っているんだね」と相手の気持ちを受け止めること、そして「私の気持ちはこうなんだよね」と自分の声にも耳を傾けてみることがとても大切です。
これまでは、相手の気持ちを優先し、私の気持ちは抑え込んできました。自分の思いと違うことを言われるだけで、否定された気持ちになったり、自分はダメだな・間違っているなと感じたりして気持ちが落ち込んでいました。言われるがままに流されることは‥日常茶飯事のことでした。
でも、傾聴に出会い「私が大切に思っている部分(気持ち)を優先しよう!」と、気持ちを立て直すことができるようになったんです。もちろん、相手の気持ちを蔑ろにするわけではなく、相手の気持ちもしっかり受け止めます。
私も相手も尊重し、横並びの関係であることを大切にして‥
そして自分の感情に蓋をして悲しくなるより、自分の心の声に耳を傾けてしっかり受け止めていくことができるようになったのは傾聴のおかげだと実感しています。
田村えり