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沈黙は自分の心と向き合う時間【理事 大熊 とよこ】

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私は中学校のボランティア相談員をしています。相談室に来る生徒と関わる中で、生徒達が周りを気にしながら神経を使いながら登校してくるのが伝わってきます。登校した生徒にまず第一声で「よく来たね!」と声をかけると、言葉にならずに首を縦に振ったり、にっこり笑顔で返してくれたり…その表情は自分の今の状態や頑張って来ている事を受け止めてもらえた安堵感のように伝わってきます。

生徒達が一人ひとり自分らしく穏やかな心で生きていけるためにはどうしたらいいのだろうと考えていくと、まさしく傾聴が必要で、全てを肯定で受け止めてあげること、ありのままの気持ちを尊重してあげることがとても必要だと感じています。

その中で私が大切にしていることの1つに、会話の中で何か問いかけをする際に、生徒が黙ってしまう事が多々あります。傾聴を学ぶ前の以前の私なら、その沈黙に私が焦ってしまい言葉を重ねて一方的な会話にして、時には私の勝手な思い込みの気持ちを押し付けて、私の言葉でその場の会話を終わりにしていたように思います。

ただ今は、傾聴で沈黙への関わりも学ぶ事ができたので、言葉が出てこない沈黙になるその状態もそのまま受け止めてあげて、その沈黙に一緒に寄り添ってあげる事で、落ち着いて生徒が思いのままの選択ができる事や、その時間までも一緒に関わる事で安心感が生まれて深い関わりに繋がることを実感しました。

また自分自身が会話の中で出てくる沈黙も、自分の心と向き合える貴重な時間で、自分の心の声を受け止めてどうしたいのか明確に感じ取れる時間です。なので生徒達にもこの沈黙も自分の心と向き合う時間として大切にしていこうと伝えていきたいです。

それと同時に、生徒達を支える大人にも、この沈黙への向き合い方をもっともっと深く知って頂くことができるように、自分自身も学びながらこれからも傾聴を広めていきたいと思っています。

大熊 とよこ

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