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ありがとうの波紋 【理事 大熊とよこ】

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「ありがとう」という言葉の大切さを感じている人は多いと思います。

私は心の中では「ありがとう」と思っているのに「言わなくてもきっと伝わっているだろう」と、特に親に対して感謝を伝えることがなかなかできずにいました。どこか照れていたり甘えていた自分がいました。

そんな中、傾聴を深く学ぶにつれて変わりたいと感じていた頃、職場でちょっとした事にも「ありがとう」を自然に交わす人たちに出会いました。

「気づいてくれて助かった、ありがとう」
「元気になる言葉をありがとう」

そんな何気ないやり取りのたびに、場の空気がふんわりと温かくなるのを感じました。そして「ありがとうを受け取ると、人はまたありがとうを返したくなるんだ」と気づきました。

それから私は、特に親に対して意識して些細な事にも「ありがとう」を伝えるようにしました。すると嬉しいことに、今度は親のほうからも「ありがとう」が沢山返ってくるようになったのです。

言葉の波紋が広がっていく。

その優しい連鎖を感じながら、
「言葉の力って本当にすごいな」と思いました。

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そして先日、傾聴と関わりのある講座を受けた時に、体をゆっくり動かしながら心を感じる時間がありました。

講師の方が「足があるから前に進める。

足があるから行きたいところへ行ける。

そんな足に“ありがとう“を伝えましょう。」と話されました。

その言葉を聞いた瞬間、ふっと気付きました。私は人に“ありがとう″を言うことは意識していたのに、自分自身に“ありがとう”を言っていなかったのです。

それから私は、少しずつ自分自身にも感謝の言葉をかけるようにしました。

「今日もよく頑張ったよ!ゆっくり休もうね、ありがとう。」

「私の体、今日も動いてくれてありがとう。」

そんな小さな言葉をかけるたびに、心の中に温かさが広がっていきました。

人に伝える「ありがとう」や自分に向ける「ありがとう」も、どちらも日常を少しずつ優しくしてくれるような言葉です。 これからも私は、誰かに、そして自分自身にやさしい「ありがとう」を伝えながら、日々を過ごしていきたいと思います。

大熊とよこ

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