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説明しても伝わらない…その理由が見えた瞬間【清宮ちこ】

yurushi-iro

事務の仕事をしていると、相談や問い合わせのやり取りを目にすることがあります。 その中で、こんな言葉を聞くことがあります。

「相手は私の思いをわかっていない。」

やり取りを見ていると、担当者は質問に対してきちんと答えているように見えます。 それでも、その方は「わかっていない」と繰り返します。
最初は、思いどおりにならないと納得できないタイプなのだろうか、と感じました。 けれど何度か接してみると、そういう単純な話ではないことがわかってきます。

自分勝手なわけでもない…。
なぜそこまでこだわるのだろう。
どうしたら納得されるのだろうか。
そんな疑問が浮んできます。

あるとき、その方が私にこう言いました。
「あなたは何もしなくていい。ただ、私の思いを聞いてほしい。」

事務の場面では、つい「説明」や「解決」に意識が向きがちです。
けれどその言葉をいただき、アドバイスも反論もせず、ただ話を聴いてみることにしました。
すると、その方がどんな思いから質問していたのかが、少しずつ見えてきます。

「そういう思いをお持ちなのですね。 何もしなくていいとのことですので、今日はお聴きするだけにしますね。」

そう伝えると、その方はすっと納得されました。
その瞬間、はっきりと気づきました。 ――説明しても伝わらないのは、説明の内容ではなく、 「思いを受け止めてもらえていない」と感じていたからなのだ、と。
事務仕事の中でも、「理解されている」という感覚は大きな力を持つ。
傾聴を学んで初めて、その意味が腑に落ちた出来事でした。

清宮ちこ

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