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どんな姿勢で傾聴する?【理事 かがみ そのこ】

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傾聴で話を聴く時に、どのような態度で聴いたらよいと思いますか?
話している人に、後ろからそっと寄り添うように(例えです)聴けると良いのですが…

以前は前のめり

以前の私は、傾聴で話を聴く時、相手のつらい想いに何とか力になろう、更には私が何とかしなければとまで考え、前のめりで話を聴いていました。

師匠からは、「傾聴は後ろからそっとついていくもの、前には出ないですね。答えはその方の中にあるものです。」と言われていました。頭ではわかっていても腹落ちせず、相手のためを思うと全力投球となってしまい、前のめりを止められないままでした。

つらい気持ちを話している時に、前のめりに聴かれたら、圧を感じるし、暑苦しいし、気持ちが楽になんてなりませんよね(笑)

私自身、なぜ前のめりを止められないのか、悩んでいました。

入院して体感したこと

そんななか、今年の一月、自宅の階段から落ちて背骨を骨折し入院することになりました。我が家にはうつ病で不登校の息子がいるのですが、その息子の大学受験のことでキリキリしている真最中でした。

入院ししばらくすると、寝たきり生活で身体はつらいのですが、心は全てから解放されたように、びっくりするほどゆったりしたものになりました。
これはどこからきているのだろう?と自分に傾聴してみました。物理的に何もできなくなったことで、無意識に抱えていた“母親として頑張らなくちゃ”から解放され、楽になったのだとわかりました。

夫も単身赴任中でいないため、息子は生活も出願も全て一人でこなすことになり、私は強制的にそれを見守ることしかできなくなりました。そうなって初めて、自分のペースで何とか一人で頑張る息子を、後ろから見守り支える感覚を体感することになりました。

そうすると、息子は、少しですが、自信がついて元気になった感じがしました。
息子の問題は、息子のものであって、私が干渉してはいけなかったのだ
干渉したら、息子のものではなくなってしまう
失敗しても、私の思う良い形でなくても、子どもを信じて任せることが大切なのだ
と実感しました。

傾聴姿勢の変化

それは、傾聴の聴く姿勢にも繋がるものでした。
傾聴で話を聴く時に、私の姿勢が
私が何とかしなくては、でなくて
相手をありのまま受け入れ、信じてそっと後ろから支えていこう、になり
傾聴も自ずと後ろ支えのものに変わりました。

子どもに対する態度も、傾聴も、自分の在り様がそのまま表れるものでした。

余談

子どものことで無意識に「私が頑張らなくちゃ」と思っていましたが、入院して気持ちが解放されると、「そもそも頑張らなきゃいけなかったのかな?」「もう頑張らなくていいというか、頑張らない方が良いのでは?」という考えが思い浮かびました。

全てを手放す楽さを体感してみて、これが正しいという感じがしたのです。
頑張るとか、ちゃんととか、要らなかったと思いました。
今は、自分に頑張らなくていいんだよと声を掛けています(笑)


人生には無駄なことは一つもないとよく言われますが、今回の怪我は、沢山の学びをくれました。怪我にも感謝です。


今井園子

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