傾聴と手話の共通点 【理事 平野りか】
以前も手話を学んでいるというブログを書きましたが、私は本格的に手話を学び始めても
うすぐ2年になります。
先日、手話の会(サークル)の先輩と話していた時のことです。
先輩が、そのまた先輩に「ろう者の手話がなかなか読み取れない」と相談した時、その方
に「相手が何を言いたいのか、どんな気持ちなのかをわかろうと思って読み取れば、わか
るようになるよ」と言われた、という話しをしてくださいました。
その瞬間、これって傾聴だ!と思い、鳥肌が立ちました(笑)
手話は手の動きだけでなく、口の動きや顔の表情、体の動きなどが全て「言葉」になりま
す。
手の動きはもちろん目で見るわけですが、手の動きだけを集中して見るのではなく、体全
体(主に上半身)を見てその人が言いたいことや感情を読み取ります。
傾聴も同じです。
口から発せられ耳から入る「言葉」だけでなく、その人の表情や姿勢などにも全て気持ち
が表れます。
よく考えたら、第一言語が手話であろうと日本語あるいは他の国の音声言語であろうと
、「この人をわかりたい」という姿勢と気持ちが大事なのだというのは同じなんですよね
。
余談ですが、手話を学び始めた頃、講師が「手だけを見るのではなく、上半身全体を見て
」と言うのがなかなか体感でわからず、最近ようやくわかって出来るようになってきまし
た。
実は、手話を学んで「手話で傾聴をしたい」と言い始めた頃「手話で傾聴?耳で聴かない
のに傾聴?」と言われたことが何度かありました。
目で見る言語の手話は、健聴者(聞こえる人)よりも表情や体の動きなどで感情が表に表
れやすいです。
こちらが手話で話す時も表情、体の動きなども必ず付けて話します。
そうでなければ伝わりません。
「この人をわかりたい」という気持ちがあれば、必ずしも「耳から聴くから傾聴」ではな
いのだと私は思います。
そして先日、手話の会主催の傾聴講座があり受講してきました。
講座自体は傾聴の基本、基礎の内容でした。
講座を学んで活かす場は、主にろう者が対象の傾聴ボランティアです。
ボランティアがあるのは聞いていましたが、私のレベルではまだ参加資格が無いだろうと
思っていたら、全然問題ないと言われたのでボランティア登録してきました。
まだ登録しただけの段階ですが、傾聴を学んできて、それがろう者の人達に活かせるかも
しれないというのは新しい扉を開くような気持ちです。
どんな世界が待っているのか、今後が楽しみです。
平野りか